コーヒーの木はあまり日に強くない
コーヒーといえば「ブラジル」「エチオピア」「インドネシア」など赤道近くの地域で栽培されているので、気温がものすごく高く、日が降り注ぐ灼熱の中で育つんだろうというイメージがある。
日本の中ではそんな地域に近い沖縄だからこそコーヒーが育てやすいということが確かにあると思う。
ただ熱帯のように「気温が高い」ということ「日照」は別のことで、気温が適していても日照 (日の強さや当たる時間) が適さないと元気に育たない。
下記投稿でまとめたように、どうやら沖縄の気温はわりと適しているけども、夏の「日差し」は強すぎるらしい。
実際、日中ずっと日が当たり続ける場所に植えた木は葉が焼けて黄色くなったりした。
沖縄の夏を経験するとわかるのは、気温や湿度が高いことに加え、上からガンっとくる感じの太陽の強さがあるなということ。だから人間もしょっちゅう水分を摂るようにしたり、なるべく日陰にいられるようにと気にして過ごしていたりする。
コーヒーの木は年平均22度くらいの高い気温は好むものの日の強さは苦手なようで、メジャーな産地でも日が当たりすぎないような工夫をしている。山の斜面に植えて午前午後で日のあたり具合が変わるとか、午後は霧が出やすいエリアに植えるとか、周りに高い木を植えて影をつくるといった具合に。
同じように、沖縄でコーヒーを育てるには日差しの強さをどう避けるかを考える必要がある。
シェードツリーにはマメ科がよいのか?
いま考えると当たり前だけど、自分が最初にコーヒーの木を植えた頃はこんなようなことは調べてなかった。どこに日が当たってどこが影になるかも気にしていなくて、むしろ日当たりの良さそうなとこから順に植えていた。。
というわけで、今更ながら太陽強すぎ問題を解決しなくてはならず、いまの畑は山の斜面ではないし霧も出ないので、周りに影をつくるためのシェードツリーを植えることに。
次の問題はどんな木をシェードツリーとして植えるかということ。インドネシアの農園へ視察に行かれている方の記事によると「ラムトロ」や「テプロシーア」という名前の「マメ科」の植物を植えているとのこと。
マメ科の植物を植えている理由は「作物の栽培には欠かせない『窒素』を土に還元する『豆科』の植物を、土の栄養分を良くするシェードツリーとして用いている。」とのことで、日陰を作る以外の効果も見込めて良さそうな話。
「マメ科 窒素」で検索すると確かにマメ科植物にはそのような働きがあるらしく、マメ科の根にいる根粒菌というバクテリアが引き起こす「窒素固定」という化学反応により、空気中の窒素をなんだかんだで土に還元するらしい。正直なんだかんだ部分を理解できてないが、トウモロコシや小麦の栽培などでも連作障害を防ぐ目的で収穫後にマメ科植物を植えて窒素を供給するとのことで実際によく用いられている手法らしい。
こんないい方法ならぜひにというわけで、マメ科の植物を調べてみた。そしたらあるある。沖縄のあちこちでよく見かける「ギンネム」、世界三大花木のうちの1つ「鳳凰木 (ホウオウボク)」、これもよく見かける。どちらもネムノキの仲間で葉が夜に閉じそうな形をしている。
あと公園などに街路樹として植えられている「相思樹 (ソウシジュ)」。こちらは同じくマメ科の「アカシア」のようなかわいらしい黄色い花をつけてる。畑で黄色い花見れたらいい。
観葉植物のエバーフレッシュもマメ科。
いろいろあって迷うが、まずホウオウボクは樹高が10〜15メートルくらいになるらしいのでシェードツリーとしては向かないように思う。
全く日が当たらなくなってもね。
相思樹は5〜10メートルくらいなので合いそう。エバーフレッシュも試してみたい。ギンネムも強そうだしいい影を作りそうだが、雑草に近いというか畑にとんでもなく繁殖してしまいそうで植えるのがこわい。
というわけで、まずは入手しやすいエバーフレッシュ と、相思樹を挿し木で増やしてから植えてみることにする。
シェードツリーを畑に植える
沖縄珈琲生産組合の宮里さんの講演内容では、庭の塀としてよく植えられている「カポック」も成長が早く挿し木で増やしやすいので最適とされている。カポックはマメ科ではないけども経済面考えると良いかも。
ということでカポックも植えてみた。
大きくなったら挿し木で増やしていきたい。
これで数年後にいい日陰ができるだろうか。
脇でちょっと休憩できるくらいのいい木陰ができたら、椅子とか持っていってアイスコーヒーとか飲みたいなー。うーん、期待!