コーヒーの栽培について

沖縄の環境はコーヒーの木の生育に適しているのか

コーヒーの木の栽培に適した環境として、「気温」や「雨量」「日照」「土質」などの生育条件というものがある。

「コーヒー 生育条件」とか「コーヒー 栽培条件」とかで検索すると出てくる。

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それらの条件に照らして沖縄の環境はどうなのか、コーヒーの栽培に適しているのか。まとめるとおよそ下記のような感じ

■雨

  • コーヒーの木の栽培には降雨量が年間1800mm~2500mm程度要る。
  • 雨季と乾季があるところが適している。

沖縄では、ここ10年間ほとんど1800mmを超えているようなので、年間の雨量は問題なさそう。ただ全く降らない乾季のようなものはないように思う。

沖縄珈琲生産組合組合長の宮里さんが登壇されている下記の講演内容によると
「コーヒー栽培には雨季乾季の季節の変化が重要で、乾季の終了時に降る雨の刺激でコーヒーが開花するとのことだが、沖縄の場合は雨季と乾季ははっきりしているものなのか?」

という質問に対し、

「沖縄の場合結構はっきりしている。冬が雨季、春から初夏にかけて梅雨に入る、開けると1~2カ月くらいが乾季で、また秋口からまた雨季が始まる。乾季と言っても夏場のスコールがとても厄介だ。水やりの加減に苦労する。」

と回答されている。実際にその時期に開花しているので開花を促すに必要な程度の刺激は与えられているということか。

もっとはっきりと乾季を作るとなると沖縄ではハウス栽培しかない。

■日照

  • 直射日光で日が強く当たりすぎると葉が焼けてしまって木が弱る。
  • 山の斜面など、時間によって日が遮られるような環境が良い。

どうやら沖縄の夏の直射日光は強すぎるらしい。他の生産者さんもそのようなこと言ってらしたし、実際自分の木もかなり日に焼けて葉が黄色くなったりした。

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畑の隣の竹林に近く午後に日陰になるようなエリアのほうが、木が年中元気なのでその程度がちょうど良いということ。
シェードツリーという日陰をつくる役目の木をコーヒーの近くに植えたりもするらしいので、沖縄でもシェードツリーを一緒に植えるのが主流になるんじゃないか。もし台風時の防風林の役目も果たせるとしたら主流どころか必須かも。自分の畑でも試すことにする。

■気温

  • 年中22℃程度が良い。
  • 昼と夜の寒暖差が大きい方が品質が高くなる。

沖縄は12・1・2月を除けば概ね22℃以上の平均気温がある。その12・1・2月は最低気温15℃あたりまでさがるのでコーヒーの木には結構過酷な環境ではある。ただ枯れるほどではないのでむしろ過酷さがいい方向に影響するといい。

昼夜の寒暖の差は、沖縄では実現難しい。エリアというよりも標高が高いか低いかが大きく影響するはずで、沖縄は北部の方でも高い山はない。
宮里さんは、沖縄は一年を通しての寒暖差が大きくそれが好影響を及ぼすだろうと仰られていて、それが味にどう影響するのか、沖縄のコーヒーの特長になるのかは今後実際の収穫をもって確認されるはず。

■土

  • 火山灰が風化したような、栄養が豊富で水はけの、よい土。
  • 弱酸性の土。

以前の投稿で確認した通り、自分のコーヒー畑の土は弱酸性だったので酸度はOK。

ただ水はけはそれほど良くない。若干粘土質な赤い土が混ざっていて、水を多く含むし、乾くと硬く固まりやすい。根の生育にも影響してると思うので、水はけのよい土を混ぜてみて生育がどう変わるかも試してみたいところ。

沖縄全体では大きく南部、中部、北部でそれぞれ特有の土質になっているとのことだし、おそらく畑ごとにもそれぞれ違いがあるはず。品質と味にとても影響がある部分だと思うので、実際に収穫された実をコーヒーとして飲んでみながら毎年調整していくことになる。気が長くないと大変な話だけども、天候と違って土は調整可能なのでなんとかしていこう。

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■風
これは沖縄特有の問題として「台風」があるので考えておく必要がある。
コーヒーの木は幹が細く少しの風でも揺れる。台風となると幹は折れるし木全体が痛んでしまって完全にダメになる可能性がある。実際東村のヒロコーヒーさんでは、5年前の台風で農園の木が全滅したとのこと。
ヒロコーヒーさんの農園は周りよりも一段低い窪地のようなところにあり、かつネットも張っていたりするんだけども、それでも台風はつむじ風のように巻き上げる風でコーヒーの木をなぎ倒したという話。恐ろしい。コーヒーは苗から育てて実がなるまで5年くらいかかるので、全滅は相当にこたえただろうなぁ。

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そこからまた5年かけて今年実がなったということで、そのコーヒーを飲ませてもらうのは本当に貴重だ。また行かないと。
なので、台風を防ぐために防風林は最低でも必要で、資金があれば強いハウスで育てるのが本当はいいんだろう。

■まとめ

まとめると、一般的なコーヒーの生育条件としていくつか問題はあるが、シェードツリーや土質など工夫することで適応できそう。それよりも本当に強い台風に備えてどうするかの方が沖縄でのコーヒー栽培としては大きな問題でその備えができないと適していると言えないのだと思う。
同じように幹の細い観葉植物の生産者さんなどはやはり強いハウスで育てているらしい。一度見学に行ってみたい。