コーヒーの栽培について

沖縄県産のコーヒーは美味しいの?

おれのコーヒー

沖縄県産のコーヒーに興味を持たれている方は、「沖縄県産のコーヒーは美味しいの?」という疑問を持たれていると思う。自分が知る限りの沖縄県産コーヒーについてお伝えしたい。

自分が飲んだことがある沖縄県産のコーヒー

まず自分が飲んだことがある沖縄県産のコーヒーは、以下の5つ。

  • 名護の中山コーヒー園さんのコーヒー
  • 沖縄珈琲生産組合の組合員さんのコーヒー
  • 沖縄珈琲生産組合の前会長宮里さんのコーヒー
  • アダ・ファームさんの安田珈琲
  • 自分のコーヒー

中山コーヒー園さんのコーヒー

中山コーヒー園さんのコーヒーは何度か飲ませていただいているが、「沖縄県産コーヒーの可能性を味わってきた」という記事にまとめているワークショップの際に飲んだコーヒーがある。

「沖縄県産コーヒーはスペシャリティコーヒーと比較して美味しいのか」ということをカッピングで検証したり、エスプレッソにしていただいて比べてみるという趣旨だった。スペシャリティコーヒーはエチオピア、台湾、フィリピンのコーヒー。

それらスペシャリティコーヒーと飲み比べてみた結果、まずちゃんと”違い”が分かり、香りに華やかさもあり、遜色なく美味しいと言えるなーと感じたのを覚えている。

中山コーヒー園さんのコーヒー

沖縄珈琲生産組合の組合員さんのコーヒー

沖縄のコーヒー生産者で構成されている沖縄珈琲生産組合という団体があり自分もそこに所属して活動している。

沖縄珈琲生産組合

そしてその組合での定例会や勉強会、また組合の企画するイベントなどにおいて組合員さんのところでとれたコーヒーを飲ませてもらえる機会があったりする。これまでに何度か飲ませていただいているがそれはもう美味い。

ある定例において出していただいたコーヒーは、飲んだ瞬間に何人かの顔色がぱっと変わり、「こんな香りのコーヒー、飲んだことないね。おいしい。」と言い出した場面があった。全体的にバランスがよい味で、その中にかすかにスパイシーな独特な香りがあり、そのスパイシーさに皆反応していたように思う。

沖縄珈琲生産組合の前会長宮里さんのコーヒー

組合の前会長の宮里さんのコーヒーも何回か飲ませていただいているが、最も美味しいと感じたのは組合の定例会の場ではなく、宮里さん自宅脇にあるお店でいただいた際のコーヒーだった。2018年ごろだったと思う。組合の年会費をお支払いしに伺いがてら、いつものように宮里さんの沖縄でのコーヒー栽培の歴史や台風対策についてお話しいただきつつ、宮里さんが育てられたコーヒーもいただくことができた。

その時のコーヒーの味は特別な香りがした。甘み、苦味、酸味といった基本的な旨味はバランスがよい状態で、そこに加えて花のような華やかな香りがある。カップに顔を近づけるとその華やかな香りが広がり、飲み込んだあとの余韻としても長く残る香りだった。

スペシャリティコーヒーを普段から飲んでらっしゃる方からすると、上の文章からイメージされるのは「あー、いわゆるスペシャリティコーヒーが持つソレで、それ以上ということではないのかな?」という印象だと思う。上か下かとか、良い悪いというのは自分は言える力は持っていないが、あまり味わったことがない個性のある香りとして美味しいなーと感じた。

あのとき宮里さんは「今年のこのコーヒー豆は美味しいよ」と少し自信ありげに出してくれた。そして、(あまり詳しくは書けないけども) 栽培から加工までの過程においていつもと違うことをしたという話を添えて。

その”いつもと違うこと”は、意図的にやったのではなくそうせざるを得なかったからやったことなんだけど、それが功を奏したのかもしれないという話だった。

また、宮里さんは焙煎してから少し時間をおいてからのほうが美味しいと感じられるとのことで、「今ちょうど美味しいはずだ」と言って出してくれた。

まとめると、

  • コーヒーが美味しくなるように、土や肥料を工夫したり
  • どうしたら木が元気になるかをいろいろ試したりしてきた生産者が
  • 自分で精製から生豆にまでして、
  • その鮮度がよい状態で焙煎して、
  • 「いまこれ美味しいと思う」というタイミングで抽出されたコーヒー

これが、美味くないわけがないんだよね。そりゃ美味い。

飲んだ瞬間宮里さんの顔を見て、「美味しいし、なにか独特な香りを感じる」ということを伝えたら、「でしょ?」っていう顔していたので、宮里さんもなにか特別なものを感じていたのだと思う。

アダ・ファームさんの安田珈琲

国頭村安田 (アダ) で農園をされているアダ・ファームさん。アダ・ファームさんの安田珈琲は、自分が評価なんてするまでもなく、プロの方たちがすでに評されていると思いますのでそちらを探して参考としていただきたい。

安田珈琲 | ADA FARM – 農業生産法人 アダ・ファーム

自分が安田珈琲をいただいたのは2019年の沖縄コーヒーフェスティバル。(その時のことをブログに書いてない。。) 小雨降る中いただいたコーヒーはただただ美味しかった。口に含んだときの味わいも、あとに残る香りも、「あ、日本でこんな美味しいコーヒーを作れるのか」と皆が思うだろうなという美味しさ。機会あればぜひ味わってみてほしい。

↓インスタでちょっとだけ記していた。

https://www.instagram.com/p/Bux9NufB2RA/

自分のコーヒー

2020年、自分の栽培したコーヒーを自分で飲むことがやっとできたので、そのことを記しておく。

下記はその際の自分のツイート。

そうねー、普通だったな。このときのことはまた別の記事にまとめようと思いますが、結論としては「とても普通だけど、可能性は感じる (笑)」くらいにしておきたい。肥料の種類やあげるタイミング、また収穫してからの精製にもある程度気を配ったが、特別何かをしたわけではない。また焙煎に時間をかけすぎて香りが少なくなってしまったというようなこともあるかもしれない。なので特別にとても美味しいということは期待してはいないが、それにしても普通だったかな。嫌な酸味などはなかったが、目が覚めるような香りはなくテンション上がらず。さらっと飲めるねーという感じ。

まだ収穫量が少なく、精製や焙煎をいろいろと試すようなことができなかったが、今後は量も増えてくるのでさまざまに試していきたい。今年はナチュラルやりたいなー。

まとめ

宮里さんのところで熱く語ってしまったが、沖縄で育ったコーヒーにはとても美味しいものがあり、ポテンシャルはしっかりとあると言える。言いたい。ある。

ただその美味しいコーヒーが、このお店ならいつでも飲めるよという状態になるのはまだ先。生産技術や生産量が高まってきて、県内のどこかで安定的に沖縄県産コーヒーが飲める状態になるのはあと5年くらいはかかるのではないか。それまでは、県内の生産者や、焙煎家さんたちの発信されている情報を取得して、数少ない機会に入手するしかない。

ぜひその機会を逃さずに、一度は沖縄産コーヒーを購入し、どんな美味しさを持っているのかを確かめてみていただきたい。

おれのコーヒー
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